カブリ財団について
カブリIPMUに関する各紙の報道も一段落しました。

”研究所が寄付を受けて冠研究所になる”という事実だけではなく、
日本の寄付文化や今後の研究費獲得のありかたなど
様々な面でみなさんに興味を持っていただけたようです。

中には「わざわざ日本の研究所に寄付をするカブリ財団ってどんな財団?」
と思われた方もいらっしゃると思うのですが、カブリ財団に関する情報は
日本ではなかなか見当たらないので今回はカブリ財団についてお伝えします。

アメリカにあるカブリ財団はノルウェー生まれのアメリカ人、フレッド・カブリ氏に
よって創設されました。
氏はノルウェーにいた10代の頃からベンチャー企業を起こし、そこで得た収益を
もとにノルウェー工科大学に進み、物理学を専攻しました。
大学を卒業後にカナダを経てアメリカにうつり、カブリコ・コーポレーションという
航空宇宙や自動車用などのセンサー製造の会社を起こします。
そしてカブリコ・コーポレーションをこの分野での世界最大の企業に育てました。
ノルウェーから渡米した若者が成功した、まさにアメリカンドリームです072.gif

その後カブリ氏は2000年にカブリコ・コーポレーションを譲渡した資金をもとに
カブリ財団を創設。
財団を通じて科学研究、特に基礎科学を支援する活動を行っています。

今回IPMUが16番目のメンバーとしてファミリーに加わった
カブリ冠研究所もカブリ財団の支援の一つです。

またIPMUの主任研究員でもあるカルテック(カリフォルニア工科大学)の
大栗教授は”カブリ冠教授”です。
詳しくは大栗さんのブログにも書かれていますが、カブリ財団はこのような
研究機関や大学の講座への寄付も行っています。

さらに優れた研究者に贈られるカブリ賞(The Kavli Prize)もあり、
この賞の受賞者はホワイトハウスに招待されて、大統領と
面会するなど栄誉ある賞です。

カブリ財団について_c0163819_1327454.jpg
オバマ大統領と米国でのカブリ賞の受賞者達(左から2番目がフレッド・カブリ氏)








とはいえ、日本ではまだ馴染みのない名前なので、ただでさえ長い
IPMUの”東京大学 国際高等研究所 数物連携宇宙研究機構”という
名前に米国の財団の名前がついてさらに長くなるという程度に
思えるのですが、実はカブリ冠研究所に加わったというのは
単なるカブリ財団の名前がついたこと以上に意味があることなのです。

現在ある15のカブリ冠研究所はいずれもその分野では一流の研究所です。
それゆえ、カブリ冠研究所に加わるというのはIPMUが世界でも
一流の研究所として認められた事でもあるのです001.gif

たとえば海外の研究者がIPMUという名前を知らなかったとしても
”カブリ冠”の研究所ということで、IPMUでの研究に興味をもったり
IPMUと共同研究をしようと考えてくれることによってIPMUで
行っている研究もさらに発展していくことが考えられます。

というように我々IPMUのメンバーは寄付金による基金の創設はもちろんのこと、
カブリファミリーの一員になるという事をとてもうれしく思っています。

”カブリ”IPMUの発足は2012年4月1日からになります。
by fu-miyazoe | 2012-02-23 15:11 | お知らせ
<< Siu-Cheong Lauさ... カブリIPMUについて >>